【第32回】安達研造さん(日本政策金融公庫 仙台支店 支店長)

【第32回】安達研造さん(日本政策金融公庫 仙台支店 支店長)
イクボス・ロールモデルインタビュー第32回は、日本政策金融公庫 仙台支店の安達研造支店長です。単身赴任中の安達さんは、会社ではイクボスであり趣味は40年続く水泳。その一方で両親の介護もなされています。そんな安達さんが、イクボスとして普段どのような職場環境をつくっているのか、また今後の組織のあり方についてどのようなお考えをお持ちなのかなど、同じ職場の岡本 圭子さんにも加わっていただき話を伺いました。

〈安達研造さん〉
1983年(昭和58年)4月、日本政策金融公庫 入庫。最初の赴任先が仙台。30年後の2016年4月、支店長として再び仙台へ。趣味は中学校時代から続けている水泳と、帰京時に愛犬(シェパード)と遊ぶこと。33歳の時、結婚。妻、娘の3人家族。現在、単身赴任中。

・話し手:安達研造支店長、岡本 圭子さん
・聞き手:竹下小百合(FJ東北代表理事)

会社、両親の介護…何足もワラジを履く生活

竹下:早速ですが、まずプライベートについてお聞きしたいのですが。安達支店長の家族構成を教えていただけますか?

安達:妻一人、子供一人です。

竹下:確か、単身赴任でいらっしゃいましたよね?

安達:はい、今は単身赴任です。

竹下:元々のお住まいってどちらですか?

安達:東京です。

竹下:そうですか。はやぶさができて、約1時間半で東京へ行けるようになりましたが、大変ですね。週末はお帰りになられているのですか?

安達:そうですね。介護もあるので、月に2回から3回帰ります。土曜、日曜に仕事がなければ帰ります。

竹下:その介護っていうのはご自身のご両親ですか?

安達:はい。両親二人ともです。父親が要介護4、母親がアルツハイマーで要介護2。

竹下:そうですか。じゃあ、奥様にもご協力頂いて介護しているのですか?

安達:私には姉がおり、母親と同居しています。父親は歩くことができないのでは、施設に入っています。

竹下:支店長とお姉さん、姉弟で介護されているのですね。

【第32回】安達研造さん(日本政策金融公庫 仙台支店 支店長)安達:はい。しかし、私が単身赴任しているので結局、姉にしわ寄せが行ってますね。姉は数年前から体調を崩しています。自分の妻にも手伝ってもらっていますが、あまり二人に、負荷かけられないのが実情です。

竹下:それは大変ですね。介護は子育てと異なり、ゴールが見えないからこそ、辛くなる時もありますね。では、会社ではイクボスをやりつつ、家庭では介護もやりつつ。何足もワラジを履いてるような。

安達:妻に自分の両親の介護をやってもらうのは正直、申し訳ないですし。あまり負荷をかけて体調を崩されても困るので、妻には「無理をするな」とは言っています。

竹下:そうやって、言葉の気遣い。夫婦とは言え、とても大切だと思います。

安達:両親の話が出るたびに伝えているので。無理せず、そこは普通にやってくれている、と思っています。

竹下:もう少しプライベートなことをお聞きしてもいいですか?安達支店長、ご趣味は?

安達:水泳ですね。途中休んでいた時もありますが40年くらいかな。。

竹下:そんなに!続いていますね。

安達:仙台、東京、両方、スポーツクラブの会員。

竹下:お忙しいのによく行けますね。時間を見つけて、ご自身のプライベートもしっかり確保されてるってことですね。

安達:1時間あれば泳げますから。仕事帰りに1時間だけですよ。

竹下:結構簡単におっしゃいますけど。早く家に帰ってビール飲んで寝た方がいいとかいう方も多いですよ(笑)

安達:そうですね。今日は泳ぐのやめとこうかなって日もあります。しかし、泳ぎに行った方が断然、元気になりますよ。やっぱり来て良かったと思いますよね、泳いだ後は。今さらうまくなろうというのはないし…なんか泳いでいると嫌なことを全て忘れて(笑) ストレス解消ってやつですかね。

普段から相談しやすい環境をつくっておく

竹下:6月に、イクボス宣言式でお伺いした時。安達支店長が、すごく積極的にいろいろ話を聞いてくださいましたよね。講演中も終始うなずいていらっしゃる姿が印象的でした。部下から見た安達支店長、実際はどんなボスなんですか、岡本さん。

岡本:支店長の方針として年3回、個人面談を行っていらっしゃいますね。それ以外にも普段から結構ざっくばらんに、ほとんど毎日の様にどの職員にも声をかけて頂いていますし。そういう意味では、相談しやすい環境はあると思います。

竹下:年3回!それは実際、どれくらいの人数を面談されるのですか。

安達:40人ぐらいですかね。

竹下:40人でも、一回の面談で15分から20分…かかりますよね?

安達:そうですね、長い人は30分くらいかかりますね。短い人は15分あれば十分。

竹下:それだけの時間と人数の話を聞くって、結構大変じゃないですか?

安達:まあ、そうですね。転勤してきたばかりの者だと、最初は時間かかりますね。2回目以降は前に聞いたときのメモがあるので。15分位あれば大丈夫です。面談のサイクルも3~4ヶ月に1回ですので。

竹下:面談のほかに、例えば個別に相談もあったりしますか?

【第32回】安達研造さん(日本政策金融公庫 仙台支店 支店長)安達:はい、ありますね。ただ「相談があるんです。」って言ってくるときはどっちかというと重い内容の時ですよね。あとは、すごくおめでたい時。どっちか。「実は、結婚します。」とか「やっと子供が出来ました。」とか。

竹下:おめでたい報告は、嬉しいですね。

安達:どちらかです。でも、顔を見ればわかります。嬉しい話の時はいいんですけど、重い話の時はう~んと思いますね。

竹下:部下の話を聞く時に、特に気を付けていらっしゃることってありますか?

安達:特別ないですかね。いつも通り「どうしたの?」と聞いています。

竹下:安達支店長の雰囲気というか、ご自身で話しやすい雰囲気って結構作られていらっしゃいますよね。だから皆さん、行きやすいんじゃないですかね。話しやすいというか。

安達:プライベートのことも含め、よくみんな話してくれます。仕事の件もたくさん聞いてくる。それは大変良い事だと思っていてます。「そんなことまで聞いてくるなよ」っていう上司もいると思うんですけど、私自身はできるだけ本音を話してほしいですね。

岡本:支店長に相談しに行き、「後にして」ということは、ほぼないですね。

竹下:それは皆さんが安達支店長が話を聞いてくれるとわかっているからこそ行きやすいのでしょうね。

安達:部下が相談に来たら、その場で聞く。一切、後にしない。お客さんが来てれば別ですけど、その場で仕事を止めて、話を聞きます。

シニアの方々がどう活躍するか

竹下:以前、安達支店長が「これから成長する企業っていうのは、女性活躍はもちろん、シニアが活躍しないと。」っておっしゃられたのがものすごく印象的だったのですが。

安達:これから本当に若い人減っていく中でシニアがどう活躍するかで会社の雰囲気変わってきますもんね。

だって、年金って今度65歳からしかもらえなくなる時に、今、うちの会社は60歳で定年なんですけど、その後再雇用になるんですが、その再雇用の方々がイキイキ仕事してくださるのか、しょうがないよなって仕事をするのとでは全然、支店の雰囲気、職場の雰囲気はまったく変わってしまうと思います。だからその人達がイキイキしている職場でないとやっぱり若い人への影響、女性への影響って大きくなると思っています。

竹下:実際、どれぐらいの方が再雇用の方されているのですか?

安達:40人中3人かな。

竹下:女性活躍に関しては、支店内で何か取り組まれていることとかありますか。

岡本:女活委員会っていうのが支店内にあります。委員長は安達支店長で、わたしが副委員長を務めさせていただいているんですけど、テーマを決めて、その年の計画をみんなで考えてそれに沿って、イクボス宣言もそうなんですけど。

竹下:イクボス宣言も今年のテーマのひとつに入っていたんですね。

岡本:そうですね。あとは地域、大学とかの連携を通じて、事業をやろうとか、創業しようって云う人のマインドを高める取り組みをしたりしています。また、昨年同様、11月2日に「女性活躍推進フォーラムin東北」を開催しました。

竹下:その委員会には毎回、安達支店長も出席されているのですか?

安達:はい、そうですね。

竹下:女性だけに関わらず、皆さんにとって働きやすい職場のように感じます。休暇制度などは、どうなっていますか?

安達:整ってほうだと思いますよ。休みはしっかり取れるし。

岡本:ちょっと変な言い方ですけど。私は、こんなに休暇を取るとは思わなかったです、転職した経験や、同世代の方々の話からしても、月に必ず一回有休ってなかなか取れないなと。公庫は、計画的にみんな取得しています。

安達:だから、4月から取れ、取れ、取れ、取れって言ってハッパかけてますよ(笑)

岡本:普通は有休取らなくても、なんとなく最後シャンシャンと終わっていくじゃないですか。企業によっては、次の年に繰り越すことも。ここは、真面目に全部取らせられます(笑)

安達:何やっているんだ、ちゃんと休め!って感じですね。

竹下:ちなみに安達支店長は有休取られるんですか。

岡本:取られてます。

安達:はい。私の場合、介護休暇も取ってます。

岡本:土日のお休みにくっつけて取られたりされてますもんね。

安達:私のスケジュールって全部、職員が見れるようになっていますから。
そこに介護休暇って書いちゃう。さらに職員も私のスケジュールに、予定を入れることができる。例えば、今日インタビューして頂いているんですけど、うちの岡本がこの日にインタビューってわたしのスケジュール入れちゃうんです。全部、オープン!

女性活躍や多様な働き方を実感できる職場づくりを

竹下:今後、政策金融公庫さん、仙台支店、または東北でどんなことをやっていきたいなどありましたらお話しいただきたいと思います。

安達:公庫はイクボス同盟に加入していますが、平成29年6月に仙台支店の全管理職がイクボス宣言を行いました。これをスタートとして、4ヵ月間で東北管内の全16支店がイクボス宣言をリレー形式でつないで行いました(下画像を参照)。イクボス宣言者にはイクボスバッジをつけてもらっており、社内でのマインドづくりにも役立っています。

【第32回】安達研造さん(日本政策金融公庫 仙台支店 支店長)

イクボス宣言をするだけでなく、バッジで宣言した人を見える化したのですから、管理職にはどんどん宣言内容を実践してもらって、今後も女性活躍推進や多様な働き方の受入れを実感できる職場づくりを女活委員会中心に盛り上げていきたいと思います。

竹下:そうですね。宣言だけは、誰でもできます。おっしゃる通り、その先のアクションが大切です。ぜひこういった取り組みが東北各地に広まるといいですね。

【第32回】安達研造さん(日本政策金融公庫 仙台支店 支店長)今日はお忙しい中、安達支店長、岡本さんありがとうございました。