NPO法人ファザーリング・ジャパン丨笑っている父親になろう

お知らせ

2023.09.29 コラム

「里親になって思うこと。防災月間に育児のセーフティネットを考えてみませんか」

FJ理事の村上誠です。
5年前に夫婦で養育里親登録をして、今月6歳になった男の子の里子を養育しています。

詳しくは書けませんが、里子くんが保護されて我が家に来た経緯は
母子家庭がコロナで離職し経済的困窮となり、母親が疾病して養育困難になったため。

我が家は妻、実子は高2と小5の男子、私の父とも同居しており、3世代6人家族。
里子くんは委託された3年前は発達も遅れ気味でしたが、
皆からの愛情を受けて今は元気にすくすくと育っています。

実子たちにとっても里子くんとの関わり、他者をケアする経験は良い影響を与えています。

11歳差の長男は高校生ながら若い父親のようなイクメンっぷり。
読み聞かせや寝かしつけもよくしてくれますし、
里子くんの発熱に家族の誰よりも早く察知してケアするほど。
先日、長男は修学旅行に海外に行っていた際にも、
里子くんの写真を送ってくれとラブコールしてくるほど溺愛しています。

次男はときには喧嘩をしたり、泣かせたりすることもありますが
誰よりも一緒に遊んだり世話をしてくれるので、里子くんが一番懐いています。

実子の長男と次男、里子くんは血は違えど3人兄弟のようです。

私が里親になりたいと思ったきっかけは、子育て支援の活動をしている影響もありますが、
実家では母が美容室を経営し、内下宿で部屋貸しもしていたので
私は生まれてから結婚するまで、常に親戚や下宿人の学生などと一緒に生活しており
いつも誰か他人がいる賑やかな家で、多くの他人の手で育てられた原体験があったから。

一昔前は地域の繋がりもあり、親族も多く子育てを支える関係が多様にありました。
(私の父は8人きょうだい、母は5人きょうだいで、私はいとこが30人近くいます)

現代は核家族化、地域関係の希薄化が進み、育児の孤立化が問題となっています。
男性の育児家事参画も当たり前になってきましたが、まだまだ子育てしにくい社会です。

コロナ禍で幼児期の発達に遅れが生じたとの追跡調査報告がでています。
5歳時点で4ヶ月超の発達の遅れがあったとのこと。社会性を身につける時期に、
保護者以外の大人や友達との交流機会が減少した影響の可能性があるそうです。

学校や地域の活動もコロナ禍で中止となり、今後も縮小されたままの行事も多いです。
ポストコロナでは、保護者が意識して子供の交流体験を増やしていくこと、
パパ友やママ友、地域の育児仲間やサポーターを増やして
育児のセーフティネットを作る必要があるのではないでしょうか。

病気や離職などは誰にでも起こり得るリスクです。
防災月間の9月に育児のセーフティネット、互助や公助の育児を考えてみませんか。

また来月10月は里親月間です。社会的養護にも関心を持って頂ければ幸いです。

NPO法人ファザーリング・ジャパン理事 村上誠
https://fathering.jp/instructors/director/instructor_murakami.html

一覧に戻る

Copyright (C) 2019 NPO法人ファザーリング・ジャパン
all rights reserved.