NPO法人ファザーリング・ジャパン丨笑っている父親になろう

お知らせ

2019.03.22 コラム

育休を取りたい人が当たり前に取れる社会へ(つかごし理事)

明日は3月9日。
この日が来るごとに、2010年3月9日(サンキューの日)に私が
リーダーとしてFJで立ち上げた男性育休促進事業「さんきゅー
パパプロジェクト」を思い出します。

そしてこのプロジェクトリーダーとしてデビューしたのが、
その前日3月8日、国際女性デーの国連イベントでの登壇だった
のは忘れられません。

当時、男性育休取得率は1.23%。
先行研究では、男性が育休を取らない理由は経済的負担であると
指摘されていました。

そこで、基金を立ち上げ、産後4週間以上休むパパを経済的支援
しながら、意識啓発のe-learning、SNSにて育休パパ同士を
ネットワーキングする事業を立ち上げました。

期間限定でありながら、経済支援枠はすぐに埋まり、
育休パパたちをメディアにたくさん紹介でき、イクメンブームの
一翼を担えました。

5年後、国は少子化社会対策大綱で産後8週間内に父親の休暇
取得率80%を目標にし、内閣府が「さんきゅうパパプロジェクト」
を立ち上げました。

同時期にFJで実施した「隠れ育休調査」では有給で育休を取得した
父親が46%。これは、4年前に実施した「隠れ育休調査」47%と
変化がありませんでした。

目標80%まで隔たりがあり、その原因は経済的負担というより、
上司にあることが調査から分かってきました。

そこでイクボスプロジェクトをより推進し、今日に至ります。

現在、男性育休取得率は5.14%。
国の目標値2020年13%からは未だに遠いです。

しかし、金融業は13%を超え、情報通信業も近い数字まで来ています。
変化の兆しは出ています。

ここ1,2年、業界を問わず、男性の育休100%取得を進めています
という企業に本当によく会います。

男性育休取得促進に限定したガイドブックを作りたい、
男性育休取得をテーマとした管理職研修してほしい、
男性の育休推進をテーマに男性社員向けセミナーをしてほしい、など
的を絞った問い合わせが増えており、9年前にはなかった流れです。

そして、同時に、取得期間の多様化、取得タイミングの多様化、
取得中のライフの内容の充実、取得後の働き方・マネジメント・
両立方法の多様化が起き始めています。

この流れは今は大企業が中心。時間差で全体に広がっていくにしても、
このスピードではもう10年かかってしまう懸念もあります。

次の一手を探るため、4年ごとに行っている「隠れ育休調査」を準備中。
そして、3月10日には「パパ育休サロン」の拡大版も実施します。

男性育休は日本の様々な要因が複雑に絡み合うものです。
育休を取りたい人が当たり前に取れる社会へ

これからも実現に向けて考え、行動をしていける仲間を
増やしていきたいと思います。

ファザーリング・ジャパン理事 つかごしまなぶ

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