結婚して15年が経ちました。実は結婚当初は社会保険労務士として
独立して1年が経過していたにも関わらずほとんど収入がなく、
精神的に非常に苦しいときでした。
単純に収入が得られないことによる生活の苦しさも勿論ありましたが、
なにより「稼げない」ということが、男として人間としてダメなんだ
と感じていました。
そんなとき「別にあなたが一人で家計を背負わなくてもいいじゃない」
と妻が声をかけてくれてました。なんだかすっと肩の荷が下りたような
気持ちになったのを覚えています。
今思えばきっと、男は大黒柱として稼ぐべき、妻より稼ぎが少ないのは
かっこ悪い。男らしさという価値観に押しつぶされていたんだと思います。
妻の一言から男らしさ、女らしさというつまらない価値観から抜け出す
ことができました。そういう意味で、毎年結婚記念日に当時のことを
思い出しては、妻への感謝の気持ちを改めています。
アンコンシャス・バイアス、無意識の偏見と言われるものが、最近は
キーワードとして上がってくることも増えました。
知らず知らずのうちに男らしさ、女らしさという価値観に縛られて
しまいがちですが、多様性が重要となるこれからの時代、
なによりも「自分らしさ」という価値観を大切にしたいですね。
ファザーリング・ジャパン理事 横井寿史