理事の村上誠です。
我が家では、今春、長男が高校を卒業、次男は小学校を卒業しました。
私は高2で保護者会会長、高3で卒業対策委員長を務めさせて頂きました。
宇宙開発を志す長男は、第一志望の仙台の大学に合格。
親元を離れて、留学生4人と日本人4人のユニットで共同生活する、国際混住型学生寄宿舎へ入居しました。頑張って自炊もしているようです。
サッカー小僧の次男は、全国大会にも出場し、都選抜候補の招集もされましたが、この1年半は怪我や成長痛に悩まされ、昨年末には腰椎骨折し全治3ヶ月以上。
ようやく先週復帰し、ジュニアユースでは県1部のクラブチームへ入団しました。
受験、保護者会活動、次男のサッカーの送迎・支援、怪我のケア、同居父親の介護、兄弟揃って卒業と入学準備、各種手続き、引越しと慌ただしい日々でしたが、ようやく兄弟共に進学して落ち着いたので、夫婦で子育てを振り返っています。
子どもが親離れし巣立っていくことに対して、私と妻とでは感覚が異なるようです。
私は兼業主夫として、中高6年間の弁当作りなど毎日の家事を主に担い、私の方が子どもたちに関わってきたのですが、妻の方が感傷的になってしまうようで、昔の写真を見ては沁み沁みしています。
ChatGTPで調べてみると、父性性と母性性でロス感に違いがあるとのこと。
個人の感情や、各家庭での育児の役割分担や親子間の関係性にも拠りますが、
母性性は、寂しさや自身の役割の喪失感を感じる「空の巣症候群」に陥りやすく、
父性性では、子どもとの関わりが感情的というより論理的な側面が強くて、
子どもの独立を「成長の証」としてポジティブに捉える傾向があるようです。
自分の頃はバブル期で、とりあえず大学に入ってサークルやバイトなど学生生活を満喫しようとの風潮だったので、今どきの子は成人も18歳となり、早くから進路や将来設計を余儀なくされて、モラトリアムの期間が短くて大変だなと思います。
子どもが夢を抱き独立していくことが子育ての大きなゴールならば、幼少期から親としてどう関わるかを積み上げていく必要があります。
子どもの頃の他愛もない夢や興味関心にどこまで真摯に向き合えるかどうか。
まずは子どもの知的好奇心や探究心を刺激し、楽しむこと、物事を掘り下げる喜び、成長できる機会と環境を整えてあげることが大事だと思います。
長男にはその時々に好きになったコト、恐竜、鉱物などにトコトン付き合ってあげました。
博物館、科学館、天文台、外遊び、自然体験、お金をかげずとも様々な体験は可能です。
非認知能力やコミュニケーション能力を養うことも大切です。
親の代わりに導き手となる専門家、恩師、コーチ等と出会いの機会を与え、
特に年上の大人や先輩に好かれて、チャンスを貰ったり受動的に引き上げてもらえる
「可愛がられ力」は重要だと考えて育ててきました。
自意識が芽生え自立していく思春期から青年期。
子どもの抱える理想と現実のズレ、依存と独立のアンビバレント(両価的)、
心理的離乳の過程を理解し、親の干渉から自立を促し、母性性から父性性へのシフト。
子どもが夢を見つけたら、後は子どもの力を信じて見守っていくだけです。
すでに子どもが自立する素地は築いていたので、ロス感もありませんでした。
蒔いた種が育って、長男はいつの間にか宇宙好きになり、惑星探査ローバー開発の夢を抱くようになりました。
自校の受験説明会で自分の夢を熱くプレゼンし、放課後に宇宙関連のカンファレンスに出席しては大学や企業の話を聞いて繋がってくる程でしたので、きっと大学でも自分で開拓して世界を広げて邁進していくことでしょう。
サッカー選手の夢を抱く思春期に差し掛かった次男、さらに小2の三男もいるので、
まだまだ親の役割は続きます。これからの子どもたちの成長が楽しみです。
NPO法人ファザーリング・ジャパン理事 村上誠
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